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夜月の蝶

夜月の蝶

小説

ギィィ・…
ドアの軋む音が
僕の耳に届いた

        ~第四章~ 日記


受付の人に十分注意するようにと念を押された僕は心なしか少し
怯えていた。元々強い奴じゃなかったからこう言うのには滅法弱い。

「受付の人も酷いよな・・わざわざ怯えさせるような事言って」

僕は自分に言い聞かせるようにして部屋の中心まで進んだ。
部屋の第一印象はただただ薄気味悪いって事だけだった。

「どうせならサレンにも来てもらうんだった・・」

自分で言っといてかなり後悔した時だった。なんて情けないんだろう…。
って感じで少し備え付けのテーブルに突っ伏して気を落ち着けてた。

「……………探すか・・」

周りを見渡せば気が遠くなるような膨大な数の本棚。
しかし気を取り直して席を立ち取り合えず近くにあった本を
見てみる事にした。右手にはぎゅっと発信機を握り締めて。




【古代クィレスの謎】【禁呪の書】【魔界妖獣】

【魔女の刑罰】 【賢者の石について】 【国家錬金術師】

      【禁断の妖術】  【人体複製方法】


怪しげな本が所狭しと並んでいる。どれか一つでも本を開けば
とんでもない事が起きそうで僕は本に触れる事すら出来なかった。









僕は不思議な本を見つけた。さっきまで「呪い」「刑罰」「妖術」とかばか
りだったけど僕の目の前にあるのは









         【DIARY】







              日記……?








――――――――――古い色褪せた本。題名は【DIARY】



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